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「白い大陸南極 昭和基地を訪ねる旅」と銘打ったツアーの参加者を、旅行会社「クラブツーリズム」
(東京都新宿区)が募っている。驚いたのは、基地に南極観測隊を派遣している国立極地研究所。
「無謀だ」と怒っている。
ツアーは、南極が夏の12月に南アフリカのケープタウンから特別機で南極大陸へ飛び、基地を訪問するという
プランで、参加費は14日間で650万円。
3月10日に同社ホームページに広告を載せ、パンフレットも作った。ツアーの6日目に基地に約3時間滞在する
プランで、「日本の南極観測の最前線・昭和基地の見学と周辺でのペンギン観測をお楽しみいただきます」とうたう。
3月25日には新宿で説明会も開いた。
「基地の周りでペンギン観測はできない。勝手に写真まで載せられて困っている」。極地研の本吉洋一・南極観測
センター長は頭を抱える。
夏季、南米から船で行ける南極半島には年間約3万人の観光客が訪れるが、昭和基地はそこから4千キロ以上
離れている。「南極で最もアクセスが難しい場所で危険」という。